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執筆者の写真虹の集い

🌸卒業🌸 旧執行部トーク!【前編】

この春、虹の集い執行部の2代目メンバーである林真白(はやし・ましろ)さん、陽間啓(はるま・けい)さんが北海道大学を卒業しました。


3月に虹の集いで開催したオンライン送別会のなかで、卒業メンバーと顧問の瀬名波栄潤(せなは・えいじゅん)先生3人による対談を企画。今年で創設5年となる虹の集いの歩みと、LGBTQのこれからについて語り合いました。今回はその前半部分をお届けします!


語り:林真白(2代目執行部)、陽間啓(2代目執行部)、瀬名波栄潤(顧問)
インタビュー:葦澤智史(3代目執行部)
 

結成当時の虹の集い


葦澤: 特に私たち若手のメンバーからすると、初めの頃のことってあんまりわからないので、当初の虹の集いと今の虹の集いって、どんな風に変わってきたかみたいなの気になるんですけどどうですか?


林:

とはいえ虹の集い1年目のこと、立ち上がった当初は私も知らんから、なんか(陽間)啓は参加者側として参加してた?


陽間:

参加者側としてはやってたけど、執行部とかも結構恐る恐るやってる感じはあったかな。プライバシーの保護が最優先になるので…。手探りな感じはした


林:

そうなんだ

瀬名波:

守りっぽい感じはしたよね


陽間:

そうですね


瀬名波:

だからメンバーも結構制限してて、アライは入ってなかった。当事者だけって感じで。でも、大学の中でこういった人たちがいるってことで安心している感はあったけどね

今はすごくなんか楽しそうにやってる

※「アライ」…LGBTQなどの性的少数者に理解のある人のこと。

一同:笑


瀬名波:

メンバーのキャラもあるからね。あの頃は、おとなしめだったね。やっぱり緊張したんだと思うよ

 

虹の集いの変化


葦澤: 逆に今の楽しそうな雰囲気っていうのは、先生の立場からご覧になっているとどういうところが理由になっていると思いますか?


瀬名波:

やっぱり、まず皆さんのキャラクターがね、明るい。で、前向きっていうのがあるんだろうけれども。やっぱりこの5年くらいでLGBTに対する考え方が本当に変わったじゃん


葦澤:

やっぱり先生の視点からもそう思われますか?


瀬名波:

うん。5年前なんて、LGBTって言葉知らない人がたくさんいたでしょ


一同:

うんうん


瀬名波:

当事者が集える場所がほしいですと言った(最初の)学生は、僕の「私たちの世界」を取ってる学生で。あんまり真面目っぽい学生ではなかったんだよ。暗そうだったしさ。結構休んでたしさ。授業中も、PC開いて他のもの見てたりとかさ

※「私たちの世界」…瀬名波先生が毎年前期に開講している講義。講義回ごとに講師が交代するオムニバス形式で、ジェンダー論を中心に取り扱う。

葦澤:

やっぱりあれって先生の方から見ててもわかるんですね(笑)


瀬名波:

おれも「不真面目~」とかって思ったんだけれども、学期が終わったら来てさ、「サークル作りたいんですけど」とかって言って。「あれっ、なんか良いこと言うじゃん」とか思って。それが始まりって感じ


瀬名波:

でも、やっぱりアライを入れるというのは抵抗があったみたいだし、大学祭の時に何かやるっていうのもすごく抵抗あったみたいだし。マジに怯えてた


林:

そうですね。一個上の代は、医学部の建物の中でカフェをしてて


瀬名波:

マジびびってたよ。「もし、怖い人が来たらどうするんですか?」って。その時は、店すぐ畳んで「怖い人が来たので店閉じました」ってやればいいって言ったのよ


一同:笑


瀬名波:

でも、結局満員だったもんね。毎回ね、情報が広がるの。だから特に宣伝とかしてなくても「北大行ったらこんなことやってましたー」とかね

2015年に渋谷区の同性パートナーシップ制度ができて、その2年後に札幌もできて、どんどん広がっていって「大学の中でも(LGBTに関する)授業を」なんていうのが出てきて、学生もたくさん取るようになって。「私たちの世界」なんかをやってて、やっぱりよかったなぁと思うのは、授業を必要としている学生がとっても喜んでくれる


一同:

(大きく頷く)


瀬名波:

なのでよかったなぁと思ってるし。Twitterに「アライだけれども虹の集いに参加してました」みたいな人が時々投稿してくるんだ。その人は(虹の集いが)公認になったってことですごく喜んでたし。ペンハロー賞をもらったのも、「もう本当に信じられないくらい嬉しいですー」とかって言ってね

※「ペンハロー賞」…虹の集いが2021年3月に受賞した課外活動賞。前年9月に行った上映会&トークイベントの開催実績が、北海道大学に認められた。(報告記事はこちら)
 

札幌のLGBT文化の芽生えと、これから


瀬名波:

元北大法学部の先生がさ、北大で(LGBT)サークルみたいなものを作って(というの)が始まりだからね、北大としては。でもあのときはなんかねぇ友達作りだけやってて、それで自然消滅したんだ。今明治大学にいる人


陽間:あーそうかもしれない


林:LGBT GAB…?

※「北海道大学LGBTサークル GAB」…北海道大学にかつて存在したLGBTサークル。2016年に虹の集いに統合。

瀬名波:

初めてのレインボーマーチも彼がやったの


一同:

へー


瀬名波:

うん。だからねあの頃に比べるとね、今は本当に明るいよ。だって彼が書いた記事でさ、初めてのレインボーマーチやって目的地まで着いたら、みんな泣いたっていうんだもん


一同:

(驚きの表情)


瀬名波:おんおんみんな泣いてね、喜びを分かち合ったとかってさ。今なんか、みんなニコニコしてるからね。あのときは大変苦労したんだと思うよ。だから虹の集いもね、苦労ってわけじゃないけどやっぱり慎重にやってきたところはあるからね


一同:

(大きく頷く)

瀬名波:

だからねぇ。これ以上派手に何かしたら良いのかどうかというのは悩ましいね。今のままでも十分メンバーたちは、幸せというか充実している、と思うんだけど。あとは、何だろうね。人助けか


一同:笑


瀬名波:

助けを必要としてる人たちに何か、手を差し伸べるみたいなものになってくるのかな、わかんない

葦澤:

そういうサークルではありたいなというのは常々思いますね

 

目指すのは、「大きなサークル」か



瀬名波:

(虹の集いのサークル活動を)継続的にやったっていうのがすごいよね


林:

そうですね


瀬名波:

執行部が5人体制か?


葦澤:

今は4人ですね


瀬名波:

これで、集まりがあると何人くらい来る?


葦澤:

10人は超える日もありますね

瀬名波:

うらやましいね、なんかね。4,5人でしっぽりとやった方がいいのか、(たくさん)集まってやる方がいいのか


林:

わかりますわかります


葦澤:

確かにそうですね。他の大学だと結構コンパクトにやってたりするので、あえて規模をでっかくしてみるっていうのも面白いかなって気もありつつ。でも、古くから参加してくださっている方を取りこぼしたくないなっていう


一同:

(頷く)


瀬名波:

そうそうそう。やっぱりね、こぢんまりとしてるのが好きな人もいるからね


葦澤: 先ほどペンハローの話とかもいただきましたけど、(林)真白先輩と(陽間)啓先輩は、ちょうど引退された後に、引退前の活動が認められたみたいな感じになったじゃないですか。どんな気持ちであの受賞報告とか見てらしたのかなって

林:

虹の集いのツイートで受賞のこととかは知って。んーなんだろうな。別に、自分が執行部の間に特別なことを何かしたとかはあんまり私は思ってなくて。


葦澤:

えー、そうなんですか?


林:

思ってないんですよ。なんかゆるゆる続けてたら、大きい活動もたまたまできた代に自分がいれて。なんかよかったなーっていう。そのくらい(笑)


葦澤:

あくまで自然体な、(林)真白先輩スタイルな感じで(笑)


林:

なんかよく分かんないけど、気付いたらそこに行き着いてたなーっていう感じです


一同:笑


陽間:

僕は嬉しいけど、やっぱりどこか他人事というか。「いやー下の子たちはすごいなー」っていう(笑)今もいろいろオンラインでやったりとかしてて、自分がやってたときよりも…なんだろう、いろんな工夫をしてるから


林:

(大きく頷く)

陽間:

あーなんかどんどん遠いところに行っちゃうなっていう(笑)


葦澤:

行かないですよ(笑)。後輩の立場から思うのは、本当に、先輩方が温めてくださった場所ありきだなってことをすごく感じることが多くて

 

「虹の集い」のこれから


葦澤: 将来的な話とかも聞いていきたいです。先生や先輩方が思う、これから虹の集いどうあってほしいかな、みたいなのは聞きたいですね


瀬名波:

このまんまでいい感じがするけどねぇ。ただ映画祭はいいかもしれないなと思ってる。負担にならなければいいなと思うんだけど。いつもの活動しながら年に1回これやるって感じになると、札幌っていうプライドの町に大学生がなんか関わってるってことで、すごく意味があることになるし


陽間:

私は逆にあの将来的に、30年50年とかの話ですけど、虹の集いみたいな場所がなくなる社会になればいいなっていう


一同:

うーん(頷く)


陽間:

逆説的なんですけど、元々セクシュアルマイノリティの居場所作りっていうのが目的で始まったサークルじゃないですか。なんかどんどんLGBTサークルみたいなのが今は増えていく時期だと思うんですけど。ずーっと先になったらなんか「LGBTって何それ?」とか「レズビアンってどういう意味?」みたいな人が(増えて)「それ昔使ってたけど今は死語だよ」みたいな社会になればいいなーっていうのはちょっと思っています


林:

わかる。「カミングアウト?なにそれ」とかね


一同:笑


陽間:

「男?女?そんな二分してたの?雑!」って


林:

確かに笑。やっぱりここ数年は結構、北大祭とか映画祭とかブース出したり、対外向けのを作ってくっていうので動いてて。執行部が本当にまずは潰れないようにね(笑)

そうだね、逆に急激に大きく大きくなりすぎて。一番(心配なこと)は、執行部の負担が大きくならないかなーっていうのは。まあ、精力的なメンバーばかりなのでアレですが(笑)


葦澤:

気をつけます(笑)

陽間:

心配しております


トークは後編へ続きます!(3月29日(月)に投稿)
※記事作成にあたり、トーク内容に一部編集を加えました。
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