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  • 執筆者の写真虹の集い

🌸卒業🌸 旧執行部トーク!【後編】

前編にひきつづき、卒業メンバーと顧問の瀬名波栄潤(せなは・えいじゅん)先生3人による対談企画をお楽しみください!


語り:林真白(2代目執行部)、陽間啓(2代目執行部)、瀬名波栄潤(顧問)
インタビュー:葦澤智史(3代目執行部)
 

​ 「虹の集い」という名前


瀬名波:

名前が良いよね。集える場所になったもんね、本当にね


葦澤:

確かにそうですね。どういう由来で「虹の集い」になったかって、先輩がたご存じですか?


瀬名波:

知らないんだよ~


陽間:

(首を横に振る)


瀬名波:

「虹の集い」って名前になって。だから(初代執行部員の)本音だったんじゃないの?大学に来てさ、いろんな意味でなんとなく孤独感っていうかさ、仲間が欲しいみたいなところがあったところで出てきたんじゃないの?「集い」って言葉がさ


一同:

(大きく頷く)

瀬名波:

なんか変な名前だなと最初思ったよ


一同:笑


瀬名波:

もうちょっとなんかさ、「北海道大学セクマイ同好会」とかさ


一同:

あぁ~


瀬名波:

今から思えば凄くほんわかしててさ、あぁ、この名前で良かったんだ~って最近思うかな

葦澤:

それこそ、大学によって全然いろんな名前があるっていうか、それこそ「〇〇大セクマイサークル」っていう学校もあれば、TOPIAさんとかめっちゃかっこよくないですか?

※「TOPIA」…東京大学のジェンダー・セクシャルマイノリティ支援サークル

一同:笑


瀬名波:

何やってるのかわからないくらいかっこいい


葦澤:

確かに。「ベンチャー企業です」って言われてもおかしくない(笑)


瀬名波:

「虹の集い」って結構地味だけど、分かる人には分かるからね


一同:

(頷く)


瀬名波:

良いネーミングになったねっていう感じ。皆さんの頑張りで名前が重みを持つようになったというか

 

執行部の苦労

瀬名波:

卒業していく人たちは何が一番大変だった?跡継ぎ探すのが大変だった?


林:

そうですね。跡継ぎとか、固定メンバー?執行部に別にならなくても常連さんというか。ゆるーく参加できる分、固定は作りづらいのかなぁと思いつつ。難しいなぁっていうのは


瀬名波:

だってさぁ、4月5月でさぁ、他のサークルとか部がチラシ配ってる時にさ。みんなで紙配るってやっぱりやらないもんね。虹の集いはね。やっぱ跡継ぎか。


陽間:

そこはなんか、微妙なところですよね。(虹の集いが)大きくなれば知名度は上がるけど、サークルの「居場所」っていう特性として、プライバシーは守られた方がいいから、あんまり大々的には宣伝しないっていうバランスが大変だとは思いますね


瀬名波:

だねぇ

 

新型コロナが、社会の価値観を変えた


瀬名波:

でもあれだなコロナになって、虹の集いは得したんじゃないか?とっても変な言い方だけども。だってバーチャルだからみんな集まりやすいし


葦澤:

確かに!

瀬名波:

現代社会が作り上げた常識みたいなものをコロナがどんどん潰してってるからね。会議をする時は対面じゃないとダメだとかさ。飲みニケーションをしないとダメだとかさ


一同:(頷く)


瀬名波:

そうなるとセクマイとかが活躍できるというか、(活躍できる)場所が広がっていくっていうか。別に顔合わせなくたってさ、zoomで会って話できるし。例えば地方で自分以外にセクマイ知らないような状況で孤独な人がさ、zoomを通して集いの人とずっとしゃべれるとかさ。すごくいい感じなんだと思うね。


葦澤:

幅は広がってますよね、確実に。いい波に乗ってるなっていう感じ。


瀬名波:

ほんとほんと。だからあの(林)真白さんも(陽間)啓さんも東京行ったからといってさ、別に縁が切れるわけじゃないからね


林:

そうですね

瀬名波:

タイミング合えば「来ました~」とかやれば


林・陽間:笑笑

葦澤:

それこそ今までの引退とは、そういうところの意味っていうか全然違ってきますよね。「また会える」みたいな感覚があるっていう

一同:

うーん(頷く)

 

社会から必要とされる存在に


葦澤: 外部からの依頼は最近めちゃめちゃ増えてますね。論文系とか、あとは学生さんのレポートのお手伝いとかもあるし。あと、マスメディアで、最近はNHKの方から取材いただいていたりするので


瀬名波:本当に!


葦澤:そうなんですよ。あっ、もしかして、瀬名波先生にご報告してなかったかな…?(笑)

※3月12日(金)、『北海道道』(NHK総合)の同性婚訴訟特集にて、虹の集いの活動が紹介されました。(報告記事はこちら)

瀬名波:

あ、ほんと。でも取材ってさぁ、こんなときに変な話だけど

1時間くらいインタビュー受けても実際(放送に)出るのは1分ぐらいとかさ…


葦澤:

そうなんですよね! 僕ら3時間半くらい受けました

瀬名波:

やっぱりね、必要とされてるんだな。こんな感じでやっていろんなところから声がけっていうか


葦澤:

そうですね

 

同性婚訴訟、世代ごとに異なる受けとめかた


葦澤:

それこそNHKの方から取材いただけるようになって、テーマとしては同性婚裁判だったんですよね。それに関して、LGBT当事者のリアルな部分みたいなところで、若者の声が聞きたいって言って来てくださってたんですけど。記者さんがびっくりしてたのが「世代によって全然同性婚に対する価値観が違う」って


林:

へー。そうなんだ。


葦澤: 原告の方たちって、私たちみたいな若い世代が「もう苦労しなくてすむように」って事を本当に考えてくださってる。で、かたや若い世代の僕たちがあまりにもほんわかやってるもんだから、記者さんびっくりされちゃったみたいで。瀬名波先生ですと、例えば私たちよりずっと年上の当事者の方とかとも交流あったりされると思うんですけど、なんかその世代的な雰囲気の違いみたいなものってやっぱりあったりするものですか?


瀬名波:

まああるんじゃないの。やっぱり訴えている人達っていうのは不利益を被ってきてるっていう気持ちが強いからね。やっぱり社会人としてそういった経験、たくさんあるから。

一方でやっぱり若い世代は、社会のそういった問題っていうのをわかんないわけだから。まだ未来に対して楽観的なところがあるわけじゃん。それはそれで、いいことだと思うんだけども。まあ(記者さんが)びっくりするのは気持ちわかるよね


一同:笑

 

キャンパスライフと、ジェンダー


瀬名波:

やっぱりねぇ、就活を始めるぐらいから社会の差別みたいなものは感じるみたい。だから僕の知ってる学生なんか、FtM だったんだけれども、大学入って自分の望む名前を学生証に使ってほしい感じでさ。相談に来て、すぐOKもらえたの。当時のね、教育担当の副学長がすごくいい人で、「大丈夫ですよー」とか言ってパッと変えてくれてさ。で、性別もね、なしにしてくれたの。

※「FtM」…身体的性が女性で、性自認が男性の人を指す言葉。Female to Maleを略したもの。

一同:

へー!(驚き)


瀬名波:

だけどその学生は、大学3年生が終わった時にまた来て、「学生証をもとに戻してほしい」と。理由は就活が始まったから。だからね、学生時代まではなりたい自分になることを許されてるんだけども、社会に出るときにはそうもいかないって感じでね。

パンテーンでさあ、宣伝したの(CM)観てる?あれすごくいい宣伝っていうか、切実だよねあんなのね


瀬名波:

それ(価値観)はもうちょっと年上の人に行くとまた全然違うからね。だから徐々にね、さっき(陽間)啓さんが言ったみたいな感じで、将来的にはこういった騒動がバカみたいだったねーみたいな感じで、ふり返る時期が来るんじゃないかな


葦澤: 瀬名波先生は大学の運営にも関わっていらっしゃると思うんですけど、他の職員さんとか教授の方々って、ジェンダーに対する意識みたいなものはどういう感じだったりしますか?北大って割と受け入れてもらえるほうですか?


瀬名波:

だと思うけどもやっぱり、(当事者だと)カミングアウトする教員がいない。これはもう決定的だと思うね。絶対カミングアウトしない


一同:

うーん…

瀬名波:

(カミングアウト)しろっていうわけにもいかないしねぇ。そこらへんはやっぱちゃんと尊重しないといけないので


葦澤:

自由に選択できるような感じでいれるといいかなっていう。それこそ大人の先生方と若い世代の学生が交流できるっていうのが大学の強みだと思うので、自分たちも若い世代から自由な気質みたいなものを広げれたら

瀬名波:

やっぱりねぇ、ロールモデルって必要だと思うんだ


一同:

うんうん(頷く)

瀬名波:

いろんな(ロールモデルの)パターンがあると思うんだけれども。東大とか他の大学で女装で教壇に立ってるゲイの先生とかさいるしね。ああいったのは励みになっているようだし。そこら辺だな

葦澤:

見せていくっていうことも大事ですね

 

北大で活動することの意義


瀬名波:

じゃあ今日もう僕そろそろ行こうと思ってるんだけど、今日がもう最後なの、集まりは?ありゃまぁ、一足早く寂しくなるねぇなんか


一同:笑


瀬名波:

じゃあまた、Twitterもやってるし、いろんなzoomでの集まりもあると思うので、どんどん参加してくださーい。暇な時はメールください。すぐ返事します


林・陽間:

ありがとうございます


瀬名波:

ほんとだよ。やっぱりメディアとしてもね、北大の(サークル)っていうブランド名があるからね。学生たちがこういったことをやっているというのは

本当はね、将来的に当事者の人たちが北大には虹の集いがあるから来ましたとかっていうようなそういう学生が出てくるとね

葦澤:

なってほしいですね


瀬名波:

出てきそうな気はするよ。最近見てると


葦澤:

そういうのがもっともっと広がっていくと(いい)


瀬名波:

じゃあもうみんなも授業もないはずだから今日は思いっきり楽しんでください


一同:

ありがとうございました!

このあと、ひきつづき新旧執行部で送別会を行いました!
※記事作成にあたり、トーク内容に一部編集を加えました。
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